箱庭のトリレンマ

モノローグ


キミを助けたいと思った。


きっと、この世に、イケメンだらけのヒーローも3分間だけ無敵な救世主もいない。


それでも、僕は君の為に出来ることを探してキミを助けたいと思ったんだ。


どれだけの時間が流れても、どれだけ同じ時間を繰り返したとしても。



きっと。僕も君も大人になっても変わらないモノがあると信じていた。


でも、それは、きっと。歪んで歪み続けて歪な形になっている今を認めたくなかったから。


だから僕等は「誰かの為に」そんな自分を騙す為に存在する偽善のような言葉に縋るんだ。


きっと、僕がいなくなってもキミの世界が変わることなんてないのだろう。


きっと、キミがいなくなったとしても僕の世界が変わることもないのだろう。


その事実が、死ぬことよりも怖いんだ。



誰かの普通が、僕の普通ではないことなんて生まれた時から知っているよ。


それが、僕がキミを見殺しにする理由にはならないから。


それが、僕がキミを助ける理由にならないのも知っているから。


僕は本気で悪魔に魂を売ってでも時間を戻したいと思ったんだ。



こんな僕がキミ等を助けたいと願うことは間違っているのかな。


憧れていた建前は、聞きたくもなかった本音で崩壊し、僕の世界から色が消える。


都会の真ん中にある公園に集まるホームレスに、笑いながら手を差し伸べるキミ。


どんなヒーローよりどんな救世主よりも憧れていたのに。


時間を繰り返し繰り返し巻き戻されることによって見えてくる僕等のリアル。




コレは、ある公園でボランティア活動に携わる人々の物語。

人が人を助けようと願う時、そこに見え隠れする小さな小さな箱庭での物語。